SSブログ

明治期から昭和20年までの卒論整理-クリーニング- [文献調査]

図2クリーニング.jpg
 東京大学林政学研究室が所蔵している卒業論文の保全作業ですが、年代順の整理が終わると、次にクリーニング作業に移ります。明治期の卒論は、一世紀以上の埃がたまっています(埃のC14などから年代測定が出来たりして・・・汗)。
 明治期の論文はいずれも和紙を綴じた冊子体で、かつ毛筆で丁寧に書かれ、論文ごとに箱に収蔵されています。今の卒論よりも丁重な取り扱いがされているかもしれませんね。
 刷毛を使って、本体や箱の埃を静かに掃きとっていきます。箱の底にたまったほこりはなかなか完全には取れません。マイクロファイバークロスを棒に巻き付けて、箱の中の埃をとっていくことになります。
 地道ですが、大切な作業になります。作業を手伝ってくれている王さん、梶本さん、平山さん、ありがとう:)図2クリーニング.jpg
nice!(0)  コメント(1) 

林政学研究室の宝について(第二弾)

 1890(明治23)年に帝国大学農科大学林学科の第三講座として誕生したのが東京大学林政学研究室です。すでに130年が経過し、膨大な林政・林業資料が収蔵されています。登録済みの資料はもちろんですが、未登録の資料も数多く残されています。一部の資料は「林政文庫」として、資料の保全およびデジタルアーカイブ化が進んでいますが、研究室が所蔵する資料の中のごく一部にすぎません。
参考:https://fpac1.lib.a.u-tokyo.ac.jp/FPA/docs/index.html

 2023年度より、国土緑化推進機構の助成を受けながら、これまで手をつけることができなかった林政・林業資料の保全を進めることになりました。まず、研究室に残る明治期から昭和20年までの卒業研究のクリーニングやデータベース化を進めています。まずは、明治20年代の卒論から昭和20年代の卒論を、時代順に並べる作業から開始しました。廊下にブルーシートや気泡緩衝材(いわゆるプチプチシート)を敷き詰めながら、年代順・五十音順に卒論を、折り畳みコンテナに収納していきます。
図1 整頓作業.jpg
 写真:年代順・五十音順に整頓している様子

 年代順・五十音順にコンテナに収納された卒論については、コンテナ単位で写真撮影を行います。こうした写真をもとに、データベースの構築のための打ち込み作業も行うことになります。著者名、年代、卒論タイトル、保存状態などを一つ一つ記録していくことになります。
 歴史的な資料は残っているだけも価値がありますが、死蔵化されると消失・廃棄等のリスクが高まります。林政学研究室に残る膨大な資料。研究室に唯一現存する資料が数多くあります。
 研究室所蔵の林政・林業資料は、人材(OG/OB)に続く、第二の宝ですね。

nice!(0)  コメント(0) 

林政学研究室の宝について [OBOG]

 研究室OGの飯塚潤子さんは、現在、檜原村の林業会社「株式会社東京チェンソーズ」の一員として活躍されています。研究室の新年会でお会いした際に、檜原村での調査について協力を依頼したところ、快諾していただきました。残雪の残る2月に、芳賀先生や学生の小竹さんと一緒に、同村を訪れ、東京チェンソーズの事業展開について、代表の青木さんや飯塚さんから、斬新で多角的な林業経営についてじっくりお話を伺うことができました。その他の数多くのキーパーソンも紹介していただきました。
2月のチェンソーズ聞き取り調査.jpg
 研究室OBの泉孝太郎さんは、2022年3月に卒業して、中部電力パワーグリッドに勤務しています。学生時代は、コロナ禍の時期とちょうど重なり、講義やゼミがオンライン中心で、キャンパスで会うこと自体困難な状況が続きました。対面での交流が学生時代にできなかったにもかかわらず、卒業後研究室とのつながりを大切にしてくれています。研究室の新年会はもちろんのこと、GW期間中に、研究室での学部生・院生への就職相談にも快く応じ、さらに、素晴らしい食べ物・飲み物を後輩にごちそうしてくれました(笑)
泉さんと在校生.jpg
 林政学研究室には、飯塚さんや泉さんのように、気兼ねなく話ができ、かつ後輩思いのOG/OBが沢山います。卒業後も学生時代と変わらないOG/OBとのつながりこそが、林政学研究室の最も大切な宝だなあと実感する今日この頃です。
nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。